「計画的に妊活を頑張っているのに上手くいっていないな…」「自分の精子って大丈夫なのかな…」
妊活されている方々の中にはたくさんの不安を抱えている方も多いと思います。
この記事では、「精液検査」について、男性不妊治療経験者の妻が解説していきます。
精液検査とは
精液量、精子濃度、精子運動率、正常形態率などの精液の所見を調べることです。WHO公表の基準があり、それに照らし合わせて考えます。
WHOの報告によると、不妊に悩む夫婦の原因の約50%が男性由来のものと言われています。このことから、妊活においては女性だけでなく、男性も自身の身体の健康状態、特に精液を検査するなどして精子の状態を理解することはとても大切なことだと言えます。
どのようなときに精液検査が必要か
精液検査は、不妊でお困りの方が原因を知りたいとき、もしくは今は困っていなくても、今後のことを考えて自分の精子状態を知りたい方であれば検査可能です。
精液検査が行える場所は
精液検査は以下の場所で行うことができます。
- 病院(婦人科)
- 病院(泌尿器科)
- レディースクリニック
- クリニック(男性不妊専門)
- 自宅
病院やクリニックの検索にはこちらのサイトが大変便利です。
僕は産婦人科、レディースクリニック、男性不妊専門のクリニック、自宅での精液検査をしたことがあります。どこも大きくは変わらないと思いますが、自宅でも採精できると知っていましたか?
自宅で精液検査ができるキットについてはこちらをご参照ください。
精液検査の準備と注意事項
精液検査にはいくつかの注意点がありますので、確認しておきましょう。
禁欲期間はどれくらいが良いか
禁欲期間は長すぎても短すぎてもいけません。2日~7日がよいと言われます。
禁欲期間が短いと、精子の数が減りますし、未成熟な精子も出てしまいます。反対に、長すぎると精子が古くなり、正常な形態でなかったり、運動率が下がったりしてしまいます。
様々な医療機関にかかりましたが、禁欲期間の指示はそれぞれ異なり、「2日空けてればOK」というところもあれば、「3日以上7日未満」などと言われるところもありました。
仕方ないので、基本的にその時の医師の指示に従うことにしましたが、何回も検査をしているうちに、「調子がいいな」と思える期間が分かってくる気がします。僕は4日がしっくりきました。
手指・陰部の清潔
手指の雑菌が、採取した精液内で繁殖すると、精子が死んでしまったり、運動率が低下してしまったりします。そもそも、精液内には常在菌がいますから、そのままでも菌の繁殖が進むものです。衛生面に気を使うことは言うまでもありません。
精液検査の流れ
院内編
任意の医療機関で診察した後、精液検査の予約をしましょう。この際、禁欲期間や注意点等を説明されます。
採精する手順は以下の通りです。
①看護師から採精カップをもらう。これには名前が書いてあります。
②採精室へ案内してもらう。
③(医療機関によって異なると思いますが)制限時間は20分で終えるように言われます。
④任意の方法でマスターベーションを行い、精子をカップに入れます。(※この時こぼさないように注意)
⑤カップに射精した時間を書きます。
⑥カップをその部屋に置いたまま、備え付けのインターホンを押して部屋を出るパターン、もしくはカップを検尿のときのように小窓から出して台に置き、備え付けのインターホンを押すパターンなど様々です。
⑥結果を待ちます。
☆採精室はいくつか行ったことがありますが、どれもカラオケの一人部屋のようなイメージです。
☆採精室には
・一人掛けのソファ
・ティッシュ
・ウェットティッシュ
・ゴミ箱
・テレビ
・DVDデッキ
・アダルトDVD数枚
・ヘッドホンなどがあります。(詳しい設備は医療機関によって若干異なると思います。)
初めての時はドキドキします。というか恥ずかしいです。しかし次の利用者もいるのでモタモタしてられません。慣れてくると、リラックスしてできます。ちなみにアダルトDVDのジャンルは女優系、素人系など様々でした。
自宅編(自宅で採精後、医療機関へ持ち込み)
①医療機関でもらった採精容器とシャーレを準備。
②手指、陰部を清潔にしたのちに、シャーレに採精する。
③シャーレから採精容器に移し、すぐに医療機関へ向かう。
精子は射精されてから、時間が経つほど傷みます。さらに温めすぎても、冷やしすぎてもいけません。
人肌くらいの温度を保ったまま、1時間以内には医療機関へ持っていきましょう。
出勤前に、妻に持って行ってもらっていたのが懐かしいです。上着の中(懐?)に入れて大切に持って行ってもらいました。しかし出勤前はハードでした…
自宅編(精液検査キット)
①精液検査キットを購入する。
②手指、陰部を清潔にしたのちに、検査キットの手順に従って採精する。
③検体を郵送。もしくは、スマートフォン等のアプリをダウンロードしてチェック。
自宅で気軽に自分の精子状態がチェックできるのは魅力的です。
「精液検査キット」についてはこちらをご参照ください。
精液検査の結果はいつでるか
通常、1時間程度で分かります。
精液検査の結果の見方
精液量、精子濃度、精子運動率、正常形態率など、精液の所見を調べます。WHO公表の基準があり、それに照らし合わせて考えます。
<精液検査の基準値>
項目 | 下限基準値 |
精液量 | 1.4cc |
精子濃度 | 1600万/ml |
総精子数 | 3900万 |
運動率 | 42% |
前進運動率 | 30% |
生存率 | 54% |
正常形態率 | 4% |
Sixth edition
これらの値は、自然妊娠できる最低限の値です。
それぞれの項目の意味は以下の通りです。
●精液量…1回に射精された精液の量
●精子濃度…精液1ml中の精子の数
●総精子数…精液全体に含まれる精子の数
●運動率…精液の中でどれだけの精子が動いているか
●前進運動率…どれだけの精子が前に進もうとしているか
●生存率…生存した精子がどれだけいるか
●正常形態率…正常な形態の精子はどれだけいるか
下回った数値の考え方
●精液量が少ない…精路通過障害の疑い
●精子濃度が低い…造精機能障害、逆行性射精の疑い
●総精子数が少ない…乏精子症、無精子症の疑い
●運動率が低い…精子無力症の疑い
●正常形態率が低い…奇形精子症の疑い
ただし、精液検査の結果が悪かったといっても、体調によって検査結果は大きく変わることがあります。複数回検査をすることで平均的なデータが分かります。
実際に僕も毎回の検査で運動率など変わっていました。
1度の検査じゃ判断できないってことね。
精子の量、質を改善するためには
精液検査では、結果によって病気が発見されることもありますが、実は半分以上の原因は分かっていないと言われています。その中で男性の生活習慣が精子に与える影響は大きいと言われ、現状の生活習慣が不規則な方は改めることで精子の質を改善することができるかもしれません。次のことを意識してみましょう。
- 食生活…1日3食栄養バランスのよい食事を心がける。(特にオメガ3、亜鉛、ビタミンB・C・Eを意識)
- 睡眠…7~9時間の睡眠をとる。
- ストレス…好きなことや、リラックスをしてストレスを軽減する。
- 適度な運動を心がける。(特にスクワットなど下半身種目はおすすめ)
- 薬(サプリメント等)も飲む。(ただし、サプリはあくまでも補助です。食事が1番です。)
生活習慣や食事の改善による精子改善の記事は、ぜひ以下をご覧ください。
生活習慣を意識するのは大変だったけど、身体のためになってるなぁ~と実感して、精神的に元気になりました。
精液検査の費用は
精液検査の費用自体は点数が70点なので実際は700円です。(一般的な検査)その他の費用を入れ、3割負担ですと、この時で自己負担は450円でした。
最後に
不妊をお互いの力で乗り越える気持ちをもちたいですね。
最初は「えー!検査?!健康だからおれは大丈夫!」と言っていましたが、検査結果で大きな原因が分かったので、検査をして本当に良かったです。。
精液検査と聞くと、「え…検査するの?」「病院で精子を出すの?」などと思われて、気が引けてしまうかもしれません。しかし、もしも精子の数が少ない、精子の質が低い状態で妊活をされ、自然妊娠を希望されていたらどうでしょうか。出来る限り早い段階で原因が分かればその分時間が生まれ、適切な治療に向き合うこともできます。ぜひ、セルフチェックからでも良いので、男性で悩んでいる方は、試してみてはいかがでしょうか。
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